Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「でも…見てるだけで幸せなんだもん。」
「杏、それじゃ意味が無いって。」
同じ問答を先程から繰り返しやり取りをして。
藍が大きなため息をついた。
「もう…もう少し貪欲になんなさい。」
芋焼酎を片手に男前な藍は杏を真っ直ぐに見つめた。
何年も前から知っている藍にとって、杏は妹のようなもの。
奥手、と言えば聞こえが良いが、杏はなかなか本心を見せない癖があった。
本音と建前。
普通ならあるはずのその裏表の感情が、杏は欠落している気がしていた。
本音を話さない。
最初に会った時から感じていた、杏に対する疑問だ。
さて・・・そんな杏をどうやって動かそうか。
藍は思案していた。
彼女の”幸せ”のために。