Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「大丈夫、です。」
「本当?無理してない?」
王子様はやっぱり優しかった。
ほんのりと頬が熱くなる。
「うん、大丈夫。」
取り繕うのは慣れている。
表情を変え笑った。
(大丈夫、大丈夫。平常心。)
念仏を唱えるかの如く、心で思う。
周りの音が耳に入らなくなる。
・・・あぁ、思っていたより傷が深い。
そんな風に自分を客観視する。
いつものことだ。
重たいとかカタいとか、言われるよりマシじゃないか。
不意に誰かが横に立った気配で、杏は顔を上げた。