Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜

(心に誓う。)



「杏さんのうちってどっち方面・・・って!!杏さん!!!」


何回目かに振り向いた彼の胸に飛び込んでみた。
逞しい腕に支えられてガッチリとホールドされる。

「ビックリ・・・どうしたんですか?」

優しい声が訪ねてくる。
夢なら・・・これが夢なら、許されるかな・・・。
好きって言えるのに・・・。

酔っ払いの杏を見て、長内はため息ともつかない呼吸を吐く。

「杏さん?」


見上げてくるその幼い感じの表情に今度はハッキリとため息をついた。


好きよ・・・本当はあなたのことが誰よりも好き。
心の中で思うだけならいいよね?
迷惑なんかかけないから・・・。

心が砕けて散ってしまえばいいなんて思っては見たけれど、本当はそんな勇気なんかない。

もう若くないのだ。

この恋が最後・・・そんな想いを持っていたから。



「本当にあなたって・・・」


彼のそんな言葉が聞こえた気がした。

・・・けれど。


杏は自分の意識を手放した。

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