Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「え??」
杏はその言葉の真意が分からず、顔を上げた。
真っ直ぐに見つめている彼の眼差しは熱く、そこに何の感情もない様には見えなかった。
(あたし、好かれてる?・・・なんて、都合よすぎだよね・・・)
「俺は嬉しかったのに・・・。キス、しとけば良かった。」
そんな風に言葉が聞こえて。
視線を合わせていられなくて。
杏は俯いた。
だって・・・じゃああの女の子は誰なの?
彼女じゃないの???
「・・・彼女・・・いるくせに・・・」
思わず口をついて言葉が零れた。
しまった、と思っても、言葉は取り消せない。
「彼女なんかじゃないよ。・・・まぁ、無関係だったわけじゃ無いけど。
今は・・・少なくともこのバイト始めてからは誰とも付き合ってない。」
彼の言葉にハッとする。
「聞きたいことはそれだけ?」
彼の声が耳元でした。
囁かれたその声は、心に響いて輝く。