Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
(それは告白。)
「俺が年下だって知って、嫌だったんでしょう?」
低く響く声で尋ねられる。
それはどういう意味?
そう聞きたかったけれど。何も言えなかった。
だって・・・その大きな手が自分の両の頬を包んでいるのだから。
「杏さん。杏さんがいつも俺を見てくれてたことに俺は気付いてた。最初は自惚れてるのかとか思ったりもしたけど…今日、部長が俺に声をかけてくれた時、今がチャンスだって思ったんだ。
5歳も年下だけど、まだバイトの身だけど、杏さんを好きな気持ちは誰にも負けない。」
これはユメだ・・・自分に都合良く見てる、夢だ・・・。
涙が大きな目から零れ落ちた瞬間、きつく抱きしめられた。
「杏さん…」
「嘘だぁ・・・」
見てるだけで幸せだって思ってた。
その笑顔が遠くからでもいいから見たいって思ってた。
名前を知らなくても、声がどんなのか知らなくても、それでもいいって思ってた。