Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
(大人になりなさい。)
「いや、だから汗臭いと思うし!!」
「そんなことないって。杏さんのいい匂いが消えちゃうからそのままがいいんだって。」
「ズルい!長内くんだけシャワーしてるし!」
「後から浴びたらいいと思うけど。」
何故かベッドの上で。
欲しがる長内と、綺麗にしてから抱かれたいという女心で拒否する杏のやり取りが繰り広げられていた。
「諦めてよ。」
「やだ!!女心わかってない!!」
「そういうとこも含めて杏さんだから。全部欲しいんだって言う男心は無視?」
「・・・」
そう言われたら言い返せない。
「欲しいんだ。ずっと・・・欲しかったんだ。」
真っ直ぐな瞳は真っ黒で。
闇の色なのに、情熱で燃えていて。
避けられない。
逃げられない。
「大切にする。」
触れた掌は火傷しそうなほど熱かった。