Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
時々、出掛けた先で長内に声をかけて来る人を見かける。
大学の友人だと紹介されるが、中にはあからさまに杏に向かい敵意を露わにする女の子も居た。
申し訳ない気持ちになることも多々ある。
自分のようなおばさんに付き合わせてしまっている、という劣等感だ。
けれど、その度に長内が杏を気遣い優しくフォローしてくれた。
あの日、居酒屋で会った”依里”と呼ばれた女の子にも会った。
やはり、元カノだ。
牽制された、と思う。
あからさまな嫌味はなかったけれど、やたら杏の知らない大学での話をしてくるあたり、牽制と取って間違いないと思われた。
けれど。
離さずにずっと繋がれた手のひらから、愛情を感じ取れた。
だから、安心出来た。
愛されている、と気持ちを預けられた。