Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「もしもし」
『杏さん?今まだ会社?』
弱気な気持ちが表に出てしまい、元気のない声をだしてしまった。
いけない、と思うけれどなかなか気持ちが上がらない。
「ううん。帰り道だよ。」
そう答えると、向こう側の彼がほっと息を吐いたのがわかった。
『駅に居て。迎えに行くよ。』
その申し出は嬉しかった。こんな風に落ち込んだ時は彼に会いたいと強く思う。
「でも」
同時に申し訳なくも思ってしまうのだ。
遠慮して断ろうかとした瞬間。
『杏さん。俺が貴女に会いたいだけ、だから。待っててくれる?寒いだろうから駅前のカフェに居て。ね?』
そんな風に言われたら、NOは言えない。
「ん、わかった。待ってるね。」
そう答えて通話は途切れた。