Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜


「もしもし」

『杏さん?今まだ会社?』

弱気な気持ちが表に出てしまい、元気のない声をだしてしまった。

いけない、と思うけれどなかなか気持ちが上がらない。

「ううん。帰り道だよ。」

そう答えると、向こう側の彼がほっと息を吐いたのがわかった。

『駅に居て。迎えに行くよ。』



その申し出は嬉しかった。こんな風に落ち込んだ時は彼に会いたいと強く思う。

「でも」

同時に申し訳なくも思ってしまうのだ。
遠慮して断ろうかとした瞬間。


『杏さん。俺が貴女に会いたいだけ、だから。待っててくれる?寒いだろうから駅前のカフェに居て。ね?』


そんな風に言われたら、NOは言えない。


「ん、わかった。待ってるね。」


そう答えて通話は途切れた。

< 79 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop