Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「え・・・気付かなかった、ごめん。」
仲間の些細な行動に、杏が傷付いているとは思ってもみなかったのか。
長内は申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「だから・・・お互い様なんだよ。
あたしも、ごめんなさい。」
そっと身体を離し、距離を取る。
上手く伝わっただろうか。
上目遣いでこっそり覗き見ると、長内の真っ黒な瞳が杏を見ていた。
「杏さんも・・・ヤキモチ妬いてくれた?」
嬉しそうに微笑む彼の表情が好きだ。
ずっと、そばに、居たい。
「うん・・・」
「そっか。今後は気をつけるよ。」
そう言って杏の手を握り再び歩き始める。
ホッとした反面。
彼の見たことのなかった一面を垣間見れて、なんだか胸がざわついた。