Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜


待ち合わせの駅前。

花壇の淵に少しだけ腰掛けて、足をブラブラとしていた。


「あ、拓海の彼女。」


通りかかった人の足が止まるのが見えた。

俯いていた目線をあげると、そこにいたのは以前”親友”だと長内から紹介された男だった。


「あ、えーと、」

「本橋です、覚えてる?」

「あ、はい、覚えてます。長内くんが幼馴染で親友だって言ってたから・・・」


そう言うと、彼は柔らかく笑った。


「それ、照れくせぇ言い方。
何?拓海と待ち合わせ?」

「はい。」

何故か彼は杏の側にやって来た。
隣に立つと、煙草に火をつけ咥える。


「なんか不思議だなぁ。
お姉さんみたいなタイプのひとが、拓海の側に居るのって過去に無かったし。」


・・・どういう意味?


不思議に思い、首を捻ると本橋は煙を吐き出し「クッ」っと笑った。


「あいつ、絶対隠すだろうと思ってたけど・・・やっぱりか。」

「あの、なんなんですか?さっきから・・・」


自分の知らないことを分かり切った表情で語られるのは好きじゃない。


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