Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「どうぞ。」
手渡されたマグカップは真新しく、自分のために用意してくれたんだろうか、などとボンヤリ考えていた。
「見せたい物って、なぁに?」
沈黙が辛くて杏は切り出した。
暫く躊躇したものの、長内はゆっくりと視線を上げた。
「龍也に聞いたんだよね、俺の過去。」
「あ、う、うん。」
とても真剣な表情で、思わず詰まりながら返事を返す。
「幻滅した?」
その問いかけがあまりにも不思議で首を捻る。
「見たら引くかも。」
「どうして?」
何故?
どんな姿だろうと、どんなことをしていようと、中身は自分が好きになった”長内拓海”なのだ。
「写真。」
そう言って手渡された小さなアルバム。
そこには若気の至りなのだろう、派手な姿の彼が居た。