Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「正直、知られたくなかったんだ。
自分の素行の悪かった時代を杏さんに知られたら、嫌われるんじゃないかって。」
小さな声で喋る彼を見るのは初めてかもしれない。
「何が理由かとか、そういうことは聞かない。
でも嫌いになることはないよ。心配しないで。」
背中を抱きしめる。
怖がらないで。
あたしは此処にいるから。
離れたりしないから・・・。
「杏さん・・・」
ぎゅうっと、抱きしめ返してくる逞しい腕に手を添える。
「だからこの前、うちが散らかってるからって言って、あたしのウチに来たの?」
「ははは、正解。ボロが出るかもしれないからさ。」
そう言って笑った長内は。
もういつもの笑顔だった。
王子様のような、優しい表情・・・。