小鳥沢2丁目物語
公園と美人さん
公園
「これじゃあ本当にリストラされたサラリーマンみたい」
わたし、榎本まゆ(17)は、夕方の公園でひとり、ギター片手にたそがれていた。
昼間、いつも一緒に登校している友達、佐藤かなめと喧嘩をした。
気晴らしにこうして夕方の公園で趣味のギターを弾いているのだ。
喧嘩したのは本当にくだらない理由。
昼間は高校野球の全校応援だった。
田舎であるわたしたちの地元、小鳥沢2丁目から野球場までは少し遠めで、早起きしないと間に合わない。
待ち合わせをしていたのに、寝坊したかなめをわたしが置いて行った。
たいした理由じゃないけど、売り言葉に買い言葉で落ち込んでしまうほどの喧嘩にまで発展した。