小鳥沢2丁目物語
流れで入ったようなものの、軽音部の空気は好きになってきた。
今は誘ってくれたみんなに感謝してる。
軽音部に入ってからみんなと仲良くなれて、
下校はいつも一緒だし、
部活はずっと一緒にいるし、
さとるくんはクラスも一緒だから家族よりも一緒にいる時間が長い気がする。
今日もいつも通り一緒に帰っていた。
2丁目と3丁目の分かれ道で、わたしと玲くんはさとるくんとあかりちゃんと別れてふたりきりになる。
「じゃあ、2人ともばいばい!」
「じゃあねー!また明日!」
「そういえばさ」
「ん?」
「初めて会った日、お前なに悩んでたの?」
「え、なんでなやんでるって...」
「ただの勘。てか見ればわかるけど」
勘て...悟られた..恐るまじ葛巻玲...
「しかもまだ解決してないだろ?」
「な、なんで...」
「勘」
「...」
「俺が聞いてやってもいいけど?」
この人には嘘はつけなそうだし、ほんとにまだかなめと喧嘩したままだったから、玲くんに相談してみることにした。