小鳥沢2丁目物語
「玲くん、ここの譜読みができなくて...」
「あー、ここはこんなかんじ」
いつも通りの玲くんといつも通りの部活。
いつも通りじゃないのはわたしの心。
玲くんを見るたびに思い出すのは昨日の事。
弱っている心にあの頭ぽんぽんは効いた....
あんなのは反則だと思う。
しかも、こんな綺麗な顔して...
「なんだよまゆ、顔がコエーぞ。怒ってるのか?」
「い、いやっ?!難しいなぁって」
「あー、まあ、譜読みさえできれば指はそんなに難しいところじゃないと思うぞ?」
「あ、うんそうだね!ありがとう!」
普通にできない。
むしろ普通がわからなくなってきた。
今まで玲くんにどんな態度とってきたっけ?
...わたし、たった数分の出来事だったのに、玲くんを好きになっちゃったみたい。