小鳥沢2丁目物語
さとるside
「さとるくん、さとるくん」
俺が部室に行こうと歩いてると、あかりにはなしかけられた。
「もしかしてさぁ、まゆちゃん..」
「あぁ、俺もそう思う。日曜日一緒に楽譜買いにいく約束したんだ。そのときに言う」
元から軽音部に居た、俺たち3人の過去。
まだまゆさんには話してない。
必要ないと思った。
けど、昨日玲から来た電話で、やっぱり必要かもしれないと思った。
『新しいギターの女、落としちゃったかも』
別に玲がナルシストとかそういうことじゃない。
用心深いだけ。
俺に電話してきたのも、確認してほしいとかそういう意味ではない。
ただ、俺は確認する。
俺たちが軽音部であるために。