小鳥沢2丁目物語
「え、えっと、多分、好き...なのかな」
「じゃあお願いがある」
さとるくんはいつになく真面目な顔をしていた。
「なに..?」
「玲には、好きって言わないで」
____『玲には好きって言わないで』
さとるくんの言葉を頭の中でリピートする。
意図が読めなくて。
さとるくんわたしのこと好きなのかな?!
...とか、思っちゃうようなセリフだけど
そんな空気じゃなかった。
「え、っと。どうして?」
「...まゆさんが入部してくる前...去年の秋くらいの話なんだけどさ。聞いてくれる?」
「うん...」