小鳥沢2丁目物語
楽譜を買い終えてわたしたちはまた帰りの電車に乗った。
「そういえばさとるくんは、あかりちゃんのこと好きじゃないの?」
わたしからしたら仲良いしいいと思うんだけど。
「は?いや、あいつはただの友達っていうか...まあ、そんな感じ」
「そうなんだ...」
そんなに前から思ってるのに、報われないなんて。
こんなに近くにいるのに。
苦しかったりしないのかな?
『小鳥沢〜小鳥沢駅〜』
「...降りるぞ」
「あ、うん」
楽譜の他にも楽器やCDを見ていたら、すっかり遅くなってしまっていた。
熊とか出たらほんとシャレにならないよ、小鳥沢なんてこんな時間になったらほとんど人通らないよ...
「送っていくから。玲のこと気にする気持ちは分かるけど、そんな暗い顔するなよ」
...家まで送ってくれるのは嬉しいけど、なんか理由がずれてる...
名前がさとるなのに悟れてない...
ぽんこつだ...!!!