小鳥沢2丁目物語




「も、もういい、大丈夫。止まったから」



「は、おいはえーよ!止まってねぇし」



さとるはあたしの鼻をつまみ続ける。






あ、あたしの心が大丈夫じゃないから言ってるのに...!!



体が熱っぽすぎて涙目になる。



「て、おい、どうした?」



さとるはあたしの顔を心配そうに覗き込む。





顔、ちか...






さとるは普通に肩だいたり、顔近づけたりしちゃうから、意識されてないんだって自覚しちゃう。



いつもそう。



1年以上の片思いの記憶が、走馬灯みたいに流れてきた。





「っ...さとるがこんなんだからいつまでも好きなんじゃん...」



あたしの気持ちには絶対答えないのに、過保護で、優しくて、意地悪で。



いつもそばに居てくれる...




「もう片思いやだよぉ...」



なぜか鼻をつままれてるこんなタイミングで気持ちも涙もが溢れ出してしまった。




く、クソダサい。




さとるもぽかーんてしてる。



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