小鳥沢2丁目物語
さとるside
『アルトイナ〜♪アルトイナ〜♪』
突然聞こえてきた着メロで我に返る。
...俺、今なにしようとした...?
鼻血拭いてたらこいつがいきなり泣き出して、
好きって言われて、
それで、
それで...
キス、しようとした。
こいつの気持ちに応える決意とか、そんなもんも無いくせに...。
俺、最低...。
電話にでたあかりは、『かめたに先輩』と話してるみたいだった。
最近仲良いっぽい。
それでこの前少しイライラしたことがあった。
『...やきもち?』
まゆさんにそう聞かれたときは絶対違うって思ってた。
...でもいま、その亀谷先輩とやらにイライラしてる自分が居る。
キスしたかった、とかじゃなく。