私だけの王子様~真夏の社員旅行~



「あ~!!今日無理!私、テニスできるペンション知ってるから、そこでいいでしょ?」


2年前に友達と行った軽井沢のペンションは、

テニスコートが4面あって、広くて綺麗だったような気がする。



「ペンションの名前は?」


もう部屋から出ようとしている私に声をかける龍平に、背中を向けたまま怒鳴る。


「もうペンションは私に任せといてよ!あんたは、集合場所とかバスの手配とか、夜の宴会のこととかいっぱい考えることあるでしょ!」



少し言い過ぎたかとも思ったが、

どうも龍平と話しているとこうなってしまう。




「ちょっと待てよ!」



キムタク風に呼び止められたことに、

またイラっとして、私は無視して扉を閉めた。






< 13 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop