私だけの王子様~真夏の社員旅行~
よりにもよって、なんであいつと幹事なの?
高橋君と一緒がいいなぁ。
総務だから一緒に行くなんて無理だよね…
イライラしつつも、ゲットしたばかりの高橋君のメアドを見つめるとウキウキした。
早速メール送信…っと。
【土日の予定はありますか?恵美より】
なぜか、こういう誘いは積極的にできてしまう私。
きっと、まだ高橋君を好きじゃないって証拠だね。
断られたらどうしよう…っていう不安も、恐怖も何もない。
私はただ、恋に恋する寂しい女。
【土日は、バスケです。休みと言えば、バスケばっかりですね~】
返信メールはすぐに届く。
もう少しガッカリしたかった。
そっけないメールの返信にショックを受けたかった。
あっそ…って思ってしまう自分が悲しいよ。
私は、カップルで溢れるショッピングモールの中を一人寂しく鼻歌を歌いながら歩く。