私だけの王子様~真夏の社員旅行~
コンパは惨敗。
医者も製薬会社の男も私をときめかせてはくれなかった。
恋、できないのかな…私。
彩みたいな恋愛したことない。
誰かを想って眠れなくなるくらいの恋。
私、実はしたことがないんだ…
「おはよ~!恵美!今朝、柳本君一人で頑張ってたよ!」
彩が私の背中をバシっと叩く。
あくびが途中で止まった私は、彩の隣にいる相川君にペコリと頭を下げた。
「旅行の幹事なんだって?大変だけど、いい経験になるよ!頑張って!」
爽やかに微笑む相川君。
その背後には、もう冷めちゃった恋の相手…高橋君がいた。
「龍平のこと、助けてやってね。あいつ、土日もずっと旅行の計画で必死だったみたいだから。」
ふ~ん…
一人で頑張っちゃって。