私だけの王子様~真夏の社員旅行~
自分の席につくと、向かいに座る龍平が大きなあくびをした。
「おお、小谷!おはよ。だいたい考えたから、あとはお前のペンションの住所と写真でも貼って、完成だな。」
渡されたしおりは、驚くほど完璧で、
プロが作ったのかと思うような出来栄えだった。
「へぇ、あんたにこんな才能があるなんてね。チビでバカなだけじゃないんだね。」
龍平のくせに、薄いピンクのシャツなんか着て色気づいじゃって。
「ペンションはお前に任せていいんだな?予約頼むぞ。」
仕事が始まるまでの15分で私はペンションに電話予約し、
そのペンションの写真をコピーして龍平に渡した。