私だけの王子様~真夏の社員旅行~
「私ね、実はまだ本当の恋を知らないんだ。彩みたいに、誰かをものすごく好きになったことがないんだよね・・・」
私は、光沢のあるのペチコートに触れながら、彩に言った。
誰にも言ったことがなかった。
自分自身でも認めたくなかった。
「恵美ならできるよ。焦らなくてもそのうち、大きな波がやってくるんだよ。それが恋だから。探しても見つかるものじゃないからね。」
彩は、パステルカラーのブラを指差した。
彩は、相川君と出逢い、片思いをして、どんどん素敵になっていった。
本当の恋をすると、人はこんなにも変わるんだって、彩を身近で見ていて感じたんだ。