私だけの王子様~真夏の社員旅行~
あいつ…
龍平は、深々と頭を下げて、部長にも負けないような大声で謝った。
「すみません!!僕の準備不足です!!当日までに絶対探しますので!!本当に申し訳ありませんでした!!」
目を閉じて、何度も頭を下げる龍平。
私も駆け寄り、その隣で頭を下げた。
「すみません。私がいけないんです・・・確認不足で。」
そう言うと、龍平が私の背中を強く押した。
「お前は関係ない。あっち行ってろ!」
強引に押されて、私は龍平の背中を見つめながら、席についた。
何…
あいつ。
こんなに男らしい奴だった?
何、かばってくれてんの?
出世したいんでしょ?
上司に気に入られたいんでしょ?
それなら、私のせいにしなよ。
私が100%悪いのに、どうして私を責めないの?