私だけの王子様~真夏の社員旅行~
10分ほどして、携帯電話が鳴った。
『もしもし、小谷?俺だけど。』
番号を見てわかった。
龍平、会社にいるんだ。
「なんで、会社にいんの?」
『あ~!仕事も残ってたし、コピーしたいものあったから。』
本当は、私の尻拭いなんだ。
まだ見つからないペンション探しの為に休みを返上して会社に出てくれてるんだ。
「あんた、いつまで会社にいるの?」
龍平に、会ってありがとうが言いたかった。
龍平があと2時間は会社にいると言うので、私はダッシュで会社へ向かった。
休みの日に会社に行くなんて入社して初めてで、少しドキドキした。
営業部のフロアは、電気がついていた。