私だけの王子様~真夏の社員旅行~
食べ終わると、龍平はまた電話をし始めた。
っていうか、私服結構イケてる…
GパンにTシャツを着た龍平は、いつもと少し違って見えた。
「私にできることある?」
「じゃあ、ここ電話してくれる?」
渡されたリストには50件程の電話番号が書かれていた。
赤ペンで、丸やバツでチェックされているその紙を見ているとなんだか泣けてきた。
「龍平…私、今まであんたのこと全然わかってなかった。あんたがこんなにも頼りになるなんて知らなかったよ。」
「何言ってんだよ。当たり前のことしただけ。強がっててもお前は女なんだから、男が守るのは当然だろ。っていうか、お前、俺に惚れるなよ!」
今までならここで、龍平の顔面にパンチしてたね、きっと。
「惚れちゃうかも…」
ば~かって言ってよ。
黙らないでよ。
龍平は、ストローを唇に挟んだまま、私を見つめた。