私だけの王子様~真夏の社員旅行~
第4章~小さな王子様~
このドキドキは、もしかしたら…
私に訪れた初めての恋…かも。
「わかんないけど、多分私、あんたが好きかも。」
人生初の告白は、全然ロマンチックでもなく、かっこ悪かった。
「ちょっと待て!!!小谷、お前自分が何言ってるかわかってる?お前がいつも嫌い嫌いって言ってる俺だよ?」
座ってると身長の差を感じない。
ってことは、龍平は胴長。
「なんだか知らないけど、今日もあんたに無性に会いたくなったの。これがどういう感情なのかわかんない。私、恋したことないから!!」
一気に自分の気持ちを龍平にぶつける。
「俺・・・実はさ、入社してからずっとお前のことが好きだった。でも、いつもお前とはケンカばっかりで、全然俺を男として見てくれなくて… でも、俺はお前と一緒にいる時が一番楽しいんだ。お前がいなかったら、こんなに会社が好きになれなかったと思う。」
自分の膝をじっと見つめる私は、龍平の表情を見ることができない。
これも人生初。
こんなに感動的な告白を受けたのは初めてだった。