私だけの王子様~真夏の社員旅行~
「しおりコピー終わったら、キスしない?」
ペンションの写真をお洒落に貼り付け、その画面を見ながら王子様が言った。
「やだ!!絶対やだやだ。龍平とキスなんて絶対しない!」
「何でだよ!俺の彼女になったんだろ!俺のこと好きって言っただろ!ば~か!」
龍平は怒ってるからか、照れてるのか、顔を赤くして怒鳴る。
「やだってば!チビだし、バカだし、スケベだし…しかも会社の中でキスなんてイヤ!」
「じゃあ、今日これ終わったらどっかデートする?」
龍平は、赤い顔をもっと赤くして真剣に言った。
「ごめん、今日合コン…」
時計を見ながら呟いた私に、龍平は大きなため息をついた。
「お前、ばっかじゃね~の!まだ合コン行く気かよ!あ~もう知らね~!」
「あ~ごめん。もう合コン行かない。もう王子様見つかったから、合コンは卒業する。」
私は、プイっと横を向いた龍平の背中を引っ張った。