私だけの王子様~真夏の社員旅行~
「信じられないな。小谷は合コンが趣味だからな。」
「違うって。ただ、運命の王子様を探してただけ。もう見つかったからいいの!」
背の高い私を少し見上げた龍平が、深呼吸をした。
「じゃあ、キスしよ。」
バシ!!
近付いてきた龍平の頭を叩いた。
「ここではイヤ!じゃあ、こうしない?社内旅行のテニスで私に勝ったらキスしてあげてもいいよ。」
「了解!それでいいよ。ふふふふ… お前ばかだな。俺、中学、高校、大学ってずっとテニス部だったんだよなぁ。」
コピーする私の背後から私の体を抱きしめた龍平。
「旅行、成功させような。俺とお前の初仕事、絶対成功させたい。」
私は、今日身につけたかわいい花柄の下着に力をもらう。
素直になりたい…
かわいくなりたい。
「龍平、大好き!!」
私は、小さな王子様のほっぺにキスをした。
幸せはどこに転がってるかわからないんだね。