私だけの王子様~真夏の社員旅行~
「全員揃ったので、出発します!!」
一番前で龍平が大声を出す。
「よくペンション見つかったな!柳本なかなか頑張ったじゃないか!綺麗なところだし、前よりいいぞ!」
部長はご機嫌で、一番後ろの席から叫ぶ。
「いえいえ、僕じゃなく小谷が頑張ってくれたんです!」
一番前の席に並んで座る私と龍平。
私は、優しい優しい王子様の手をそっと握った。
「やっと見つけた。」
私は、眠る龍平の耳元で囁いた。