私だけの王子様~真夏の社員旅行~
「登録してくださいね!高橋君!」
私の1オクターブ高い声に反応した龍平。
「お前、どうして駿佑には、敬語なんだよ!」
そうめん食べてるくせに、
暑そうに水を一気飲みする龍平が顔を赤くして怒鳴る。
「だって年上だもん!」
私は携帯電話に高橋君の番号を登録しながら、
目も合わせずに答える。
「俺だって、年上だろ!俺のことは年下みたいに扱うくせに!」
そっか。
忘れてた。龍平もいちおう大卒だから年上だったんだ。
「だって、チビだし、バカだし、年上になんか見えない!」
いつもこう。
龍平とはこんな感じでいつもののしりあいになってしまう。