月のうさぎ~寒がりな天使~
幸せな龍平は、焼酎をロックで3杯飲んで、いい気分になり、俺にもたれかかる。
今夜は飲みたい気分だ。
「日本酒熱燗で…」
店員に注文すると同時に、龍平の携帯電話が鳴った。
「もしもし~!」
龍平の甘い声を聞けば誰からかわかる。
ラブラブな彼女からの電話に、龍平の酔いも回る。
「今、駿佑と飲んでるんだ~!」
俺の肩に回した手がどんどん重くなる。
俺は携帯電話を横取りして、小谷恵美に言う。
「龍平、迎えに来てやってくれない?もしくはそのまま小谷さんの家に連れて帰ってやって!」
俺のお節介心に火がついた。
龍平がこぼした小さな悩み…
『まだエッチしてないんだよ…』って。
夏休みの営業部の旅行で、キスだけはしたらしいが、いつも友達っぽい2人だからなかなかいい雰囲気にならないらしい。
酒の力を借りるってのも情けないが、今夜は…
チャンスだ!!