月のうさぎ~寒がりな天使~
それから、何日かが過ぎ、俺はどんどん不安になった。
あれから一度も有希子は姿を現さなかった。
有希子、とか呼んじゃってるけど、実際俺は彼女のことを何も知らない。
遠い存在。
手の届かない人。
そして、もう会えないかも知れない人。
勇気を出し、俺はマンションへ向かった。
何号室かはわからないし、突然行って、もしかしたら彼氏が出てくるかも知れない。
でも、俺にとってこんな恋は初めてだから、どうしてもこの恋を失くしたくなかった。