月のうさぎ~寒がりな天使~



「じゃあね、ばいばい。」



有希子は同僚の男性の待つトラックに向かった。



俺はさっきまで有希子と乗っていたエレベーターに一人で乗り、頭を抱えた。




俺の波乱の恋の始まり。


いろんな気持ちが入り混じり、整理できない。




好きだと言われた嬉しさよりも、来月にはいなくなるという寂しさの方が大きくて、俺は一人机に顔を押し付けた。



「高橋!!えらい遅かったやないか!何しとったんや?」




ニヤニヤしながら荒海部長が俺の隣で俺の顔を覗きこんだ。



「今から相川と3人で飲みにいかんか?」






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