月のうさぎ~寒がりな天使~
「まじで?それ、めっちゃ辛いやん!高橋、飲め!!」
渡された日本酒を一気に飲み干した。
「高橋、飲みすぎだって。その辺にしとけよ。それにしても、お前があの宅配の女の子を好きだったとはなぁ。でも、そんなに好きなら、待てるだろ!」
相川さんが俺の手に持っていた酒を奪って、真剣な表情で言った。
「せやな。遠距離は辛いけど、やる前にあきらめるなんて、かっこ悪すぎやで!」
荒海部長も、急に真面目な顔になり、俺の肩に手を置いた。
「俺・・・あきらめたくないっす。遠くに行くのは寂しいけど、もう会えないのはもっと寂しい。俺、今から行ってきます!!」