月のうさぎ~寒がりな天使~
酒臭いキスでごめん。
こんな場所でごめん。
マンションの下で俺は有希子にキスをした。
有希子と会う日はいつも月が綺麗な夜だ。
何度も何度も唇を合わせ、好きだと言った。
俺は残された1ヶ月、必死で頑張る。
有希子が、俺を支えに外国で頑張れるように。
有希子の体と心に、俺をいっぱい刻み付けて、俺を忘れないようにしたかった。
寂しい時、俺のキスを思い出せるように
たくさんキスをした。
「本当に待っててくれる?」
有希子は、俺の頬を両手で挟んで言った。
「ああ、待つよ。寂しいけど、有希子が好きだから。」
「じゃあ、エッチは帰ってきてからね。」
「ちょっと!!それはないだろ!絶対有希子が旅立つまでにいっぱいしてやるから!!」