月のうさぎ~寒がりな天使~
寂しくないと言えば嘘になる。
毎日毎日、カウントダウンをしてしまう。
あと、何日・・・って数えて、胸の奥が苦しくなった。
「龍平、今日の夜暇?ちょっと買い物付き合って。」
「有希子ちゃんに何かあげるのか?それなら、恵美も連れていこうか?」
俺のおかげで、龍平と恵美ちゃんもとうとう大人の関係になった。
あの夜、俺が有希子と公園で会った夜、龍平と恵美ちゃんはエッチしたんだっけ。
旅立つ有希子に何かあげたかった。
寒がりな有希子の為に、マフラーとか手袋とか、何か暖かいものを。
「やっぱ下着だよ!!」
「そうだよね!!真っ赤な下着が良いよ。」
なぜか大人数になっていた。
龍平が恵美ちゃんに声をかけ、恵美ちゃんが神山さんに声をかけた。
そして、神山さんが彼氏である相川さんに声をかけた。
5人で百貨店をうろうろしていると、なぜか下着売場に到着した。
女子2人が言うには、男性から下着をもらうってすごく嬉しいらしい。
でも、その下着をつけてる姿を俺はしばらく見ることができない。
なんだか寂しい気もする。