月のうさぎ~寒がりな天使~
恋多き男の、初めての『純愛』・・・
彼女を守りたいと思った。
その日から、俺は午後5時になると胸を躍らせた。
灰色の服を着た俺の天使。
名前しか知らない。
『沢野』と書かれた名札。
ちょっと茶色い髪は、毎日少し違うアレンジで、俺を楽しませてくれた。
同じ制服を着ていても、他の子とは違うオーラがある。
ナチュラルメイクの沢野さんは、きっと化粧をしなくても綺麗なんだとわかる。
俺に元気をくれる存在。
いつの間にか俺の小さな恋は、どんどん大きく膨れ上がっていた。