キミノコト

「あたしね、遠距離の彼氏がいるの」

Tくんはふーんって感じ。
あたしはそのまま続ける。

「やっと会えるって日に
ドタキャンされたの」

「だから、もう潮時かなって...」


一言も口を挟まなかった
Tくんがいきなり

「そんな男やめて俺にしろよ」

あたしはびっくりし過ぎて
なにが起こったのかわからず
戸惑った。


「なんてなっ笑」

って笑う彼。

運転しながらいきなり
肩に手を回してきた。

ぐいっと左肩を引き寄せられ
急接近...

「ちょっ、やめてよ」

「嬉しいくせに...」

「あなたのこと好きじゃないから
嬉しくない」


「そのうち好きになるよ、嫌でも」




< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop