インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~
「期待しちゃうのは・・・私の方です。部長は思わせぶりです。」
何言ってるの、私・・・
カクテルに伸ばした私の手を、部長が止める。
「・・・踊ろか。」
部長はさっと立ち上がり、右手を私の前に差し出した。
私はその右手にそっと左手を乗せた。
優しい雰囲気の音楽が店内に流れていた。
初めて手を握られた。
知らなかった。
部長の手は、柔らかい。
大きくて、温かくて、柔らかい。
両手を握られて、ゆっくりと揺れる。
踊ったことなんてないのに、部長の手に包まれて、自然に体が揺れていた。
腰に手が回された。