インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~
「明日からちゃんと仕事できんかな、俺・・・」
「私も・・・」
私は部長の大きな胸に抱きついたまま眠った。
一緒に眠ったこの夜のこと、私はずっと忘れないだろう。
夜中に目が覚めて隣を見ると、大好きな部長が寝息を立てていた。
目覚めてから、部長が話してくれた。
部長は、バツイチではなく・・・奥さんと死別だった。
7年前に、病気で奥さんを亡くしたんだ、と部長は静かに言った。
部長の大きな優しさの裏には、たくさんの悲しみが隠れていたんだと知り、より、部長を愛しく感じた。
部長が毎日自分でお弁当を作るのも、野菜ジュースで健康に気遣っているのも・・・
ちゃんと部長の心の中に奥さんが生きている証拠なんだって感じた。
「俺、一生一人で生きていく覚悟やってんけどな。まさかこんな出会いがあるなんて・・・」
部長は、スーツに着替えながら、恥ずかしそうに笑った。
私と部長は、こうして付き合うことになった。