インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~
こんなことは初めてだった。
荒海部長のお弁当を食べさせてもらった。
部長手作りの玉子焼きはほんのり甘くて、すごく美味しかったんだ。
「なんでお前は弁当なん?みんな外に食いに行ってんのに・・・」
荒海部長と一緒にいたいからだよ。
同じ場所でお弁当を食べることが、何よりも幸せなんだよ。
「私は健康の為ですかね~!」
そんなことを言って、曖昧に笑うと、荒海部長は私の肩を叩いた。
「お前しっかりしてんなぁ!えらいやん!!じゃあ、明日は俺の弁当も頼んでええか?」
「本当ですか!!本気にしますよ。いつもの冗談だったら怒りますよ!!」
大声を出して、私はその場に立ち上がる。
荒海部長は、大きな口を開けて笑いながら「ほんまほんま!」と言い、自分の机へ戻った。