インナーラブ~恋の相手はイケメン上司~



こんなことは初めてだった。


荒海部長のお弁当を食べさせてもらった。


部長手作りの玉子焼きはほんのり甘くて、すごく美味しかったんだ。



「なんでお前は弁当なん?みんな外に食いに行ってんのに・・・」


荒海部長と一緒にいたいからだよ。


同じ場所でお弁当を食べることが、何よりも幸せなんだよ。



「私は健康の為ですかね~!」


そんなことを言って、曖昧に笑うと、荒海部長は私の肩を叩いた。


「お前しっかりしてんなぁ!えらいやん!!じゃあ、明日は俺の弁当も頼んでええか?」


「本当ですか!!本気にしますよ。いつもの冗談だったら怒りますよ!!」


大声を出して、私はその場に立ち上がる。


荒海部長は、大きな口を開けて笑いながら「ほんまほんま!」と言い、自分の机へ戻った。




< 5 / 34 >

この作品をシェア

pagetop