俺の隣 ~ルームウェアに込めた想い~
俺は、あの時、何を期待していたんだろう。
『別れたくない!』って俺の後を追って欲しかったのか?
『どうしてそんなこと言うの!?』って泣いて欲しかったのか?
こんな終わりを望んではいなかった。
もう一度、向き合うために・・・
何かを変えるために、俺は別れ話を切り出した。
別れたかったわけじゃない。
「河野さんも頑張ってね。俺は応援してるから!!」
「私が別れたときは、また励ましてください!」
俺と河野さんは数分間のエレベーターの中でそんな会話をした。
俺よりもずっと辛いはずの河野さんは、とても前向きで輝いて見えた。
ほんのりタバコの匂いがした。
その匂いは、河野さん自身から発せられているのか、彼氏の匂いを運んだものか・・・