俺の隣 ~ルームウェアに込めた想い~
寂しい心の中を埋めることができないまま、毎日会社へ向かう。
会社で仕事をしている時だけは、まだ由香と付き合っている俺のままの気持ちだった。
「おはようございます。俊也さん!」
俺の部に入ってきた新人は、俺のことを下の名前で呼ぶ。
部内では、もうみんなが知っていることだが、彼女は俺を好きだった。
由香がよく言ってたな。
すれ違う時ににらまれるって。
あの由香をにらむとは、なかなか根性のある女だ。
俺が由香と別れたことはまだ誰も知らなかった。
この子にだけは知られたくなかった。
だって・・・
今よりももっと積極的になられると、俺は拒むことができそうもない。
特に今の俺は、心も体も寂しいから。