俺の隣 ~ルームウェアに込めた想い~
第4章 素直な気持ち
俺は、そのルームウェアを抱きしめて、また泣いた。
思い出がありすぎるよ、由香。
このルームウェアがお気に入りで、由香は春になっても、こればかり着ていた。
俺は、買ってきたプレゼントを由香の枕の上に置き、由香の残したルームウェアを胸に抱き、ベッドで眠った。
久しぶりのウォーターベッドは、寝心地が良くない。
俺が眠る場所は、ソファでも構わないんだ。
この家に、由香がいてくれればそれで良かった。
隣の部屋でも構わない。
由香の寝返りを打つ音が聞こえるだけで、俺は安心できた。
眠ろうとしてもなかなか眠りにつくことができなかった。
秋の夜は長い。
俺と由香の思い出を思い返すにはちょうど良い長さだった。