聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~
それから、しばらくして・・・
彼にフィアンセがいるという噂を聞いた。
私の恋は儚く散った。
散ったはずだった。
でも、気が付くと、大介の胸に抱かれていた。
何度か昼ご飯を食べ、何度か、飲みにも行った。
でも、口説かれるわけでもなく、友達のように楽しい時間を過ごしていた。
なのに・・・
会社のロビーで突然私を抱きしめた大介が言った。
「俺の彼女になってくれないか・・・」
運良く、ロビーにあまり社員はいなかった。
でも、誰もいないわけでもない。
「でも、婚約者がいるって・・・」
「親父が勝手に決めた仕事がらみの相手だ。俺のこと信じろって。」
迷う私の耳元であの言葉を言った。
「会社を捨ててもいい・・・」
私は大介の胸に抱きついて、頷いた。