聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~




強引に私の手を引っ張って、大介が走り出す。



そして、壇上の手前で私を抱き上げた。




「ひゃあ!!」




その光景を見ていた社員達から、物凄い歓声が上がった。





「いろいろありましたが、やっと俺は本当に愛する相手と結婚することができます。俺の妻になります、河野瑛子です!!」




コンサートの後のアンコールのように激しい拍手の中、私をお姫様だっこした大介。




誰にも聞こえないようにこっそり耳元で囁く。



「勝手に家出るなんて、度胸あるじゃん。覚えとけよ・・・!」



涙でよく見えないよ、大介の顔。


私は、壇上から支えてくれた玉巻俊也に視線を送った。





< 40 / 47 >

この作品をシェア

pagetop