聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~
強引に私の手を引っ張って、大介が走り出す。
そして、壇上の手前で私を抱き上げた。
「ひゃあ!!」
その光景を見ていた社員達から、物凄い歓声が上がった。
「いろいろありましたが、やっと俺は本当に愛する相手と結婚することができます。俺の妻になります、河野瑛子です!!」
コンサートの後のアンコールのように激しい拍手の中、私をお姫様だっこした大介。
誰にも聞こえないようにこっそり耳元で囁く。
「勝手に家出るなんて、度胸あるじゃん。覚えとけよ・・・!」
涙でよく見えないよ、大介の顔。
私は、壇上から支えてくれた玉巻俊也に視線を送った。