聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~
庶務部ではもうベテランの域に達していた。
彼氏は、この会社の御曹司・・・誰もが憧れるイケメン、勝美大介。
将来、この会社を背負っていく大介との恋愛。
誰が見ても、身分違いな恋だった。
『会社を捨ててもいい』
大介はそんなかっこいいことを言って、私に告白してくれた。
あれから何年経ったのだろう。
愛しているけれど、これ以上愛してはいけない。
大介のことを本当に愛しているなら、身を引くべきなんだとわかっていた。
私の存在が、彼の将来をだめにする。
別れるべき。
忘れるべき。
毎晩毎晩、大介が眠った後、大介の寝顔を見ながら自分にそう言い聞かせた。
でも、愛していた。
俺様系な所も、時々甘えてくるかわいい所も、仕事に対する姿勢も、人生観も・・・全てを愛していた。