聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~


庶務部ではもうベテランの域に達していた。



彼氏は、この会社の御曹司・・・誰もが憧れるイケメン、勝美大介。



将来、この会社を背負っていく大介との恋愛。



誰が見ても、身分違いな恋だった。



『会社を捨ててもいい』


大介はそんなかっこいいことを言って、私に告白してくれた。


あれから何年経ったのだろう。



愛しているけれど、これ以上愛してはいけない。


大介のことを本当に愛しているなら、身を引くべきなんだとわかっていた。



私の存在が、彼の将来をだめにする。



別れるべき。


忘れるべき。




毎晩毎晩、大介が眠った後、大介の寝顔を見ながら自分にそう言い聞かせた。




でも、愛していた。


俺様系な所も、時々甘えてくるかわいい所も、仕事に対する姿勢も、人生観も・・・全てを愛していた。




< 6 / 47 >

この作品をシェア

pagetop